interview

河端歯科
Nori Dental Office
インタビュー

前身の「河端歯科医院」を開業した時から50年以上に渡って、地域の方たちの歯と口腔内の健康をサポートしてまいりました。
親子3代に渡って守り続けてきた歯科医療に対する想いと、これからの将来のビジョンについて、現院長の河端憲彦がお伝えします。

院外観

3代に渡って
貫いてきた“今”の自分の
歯を大切にすること

河端歯科”は、私の祖母が開院した歯科医院です。女医という存在がかなり珍しかった時代です。
今ある“河端歯科”の基本理念もそんな時代を歯科医師として生き抜いた祖母の信念から生まれました。
その後、父がその信念を受け継ぎ、35年ほどの時間の中でこの医院を育てあげてきました。
私が3代目の院長を引き継いだのは2011年。
“河端歯科”の基本理念は忠実に守りつつ、“予防”の側面を強化した、私らしく明るい医院をつくりたい!!
そんな想いをこめて医院名を「河端歯科 Nori-Dental Office」と改名しました。

『今ある自分の歯を
大切にする』

診察風景

これが、祖母の代から私になっても変わる事なく貫き通す「河端歯科」の基本理念です。実は、今現在も、祖母や父の代から治療・予防を通してお付き合いのある方がおられます。
そんな患者様から「あの時先生から、『自分の歯を大切にしなさい』と言われてきたおかげで、今こうやって自分の歯で何も気にせず生活できる。本当によかった。」と喜びのお声をいただくことも多いです。
『祖母や父が提供してきた歯科治療は正しかった』と開業して数年経った現在も、皆様からこの基本理念の素晴らしさを教えていただく毎日です。

“今”だけにとどまらず
“未来”まで
あなたが
アハハと笑える
診療を提供する
それがわたしたちの
“予防”という診療スタイル

カウンセリング風景

実は、歯科医師の立場からいうと、「今ある歯を今のままの状態で残す」ことよりも、歯を削ったり抜いたりして治療をした方がずっと楽です。それは技術的においても、医師の責任という点においてもずっと楽なのです。

しかし、その分歯にはダメージを負わせてしまい、先々まで様々な“リスク”を抱え込ませてしまう結果になります。僕が歯科医師になってから今まで、自分が治療を行った歯がたった数年で抜歯になった経験が何度かあります。

施す側も受ける側も頑張って行った治療なのに、なんとも言えない気持ちになりました。なぜそうなったのか?そんな気持ちにならないで済む医療の提供はできなかったのか?悩みました。

“そもそも、治療にいたった原因はなんだったのか?”、“原因は改善したのか?改善しないまま治療をおこなったらどうなるのか?”、“その人に対して治療は本当に適切だったのか?”
そして、結果たどりつた答えは、
“何もない状態の歯に治療の手を加える事をなくすこと。もしくは、できるだけ先延ばしにすること”
“治療の手を可能な限り加えないで済むような適切な治療を行うこと”
つまり、”正確なリスク診断とリスクアプローチの上に成り立った予防ベースの診療“でした。
虫歯ができたと主訴で来られた患者さんからすれば、虫歯=すぐ削って治療とかんがえることが普通です。
でも、それではただ再治療を繰り返すだけで、その歯は本当の意味では救えません。その歯がなぜ虫歯になったか「原因と過去」を診断し、その原因を改善した後に行う治療があってはじめて虫歯の治療は効果を発揮します。しかも、それで終わりではありません。歯や歯を支える骨など、口の組織は擦り傷などのように治癒して元に戻ることはありません。虫歯であいた穴はあいたまま・・・。そこに行う治療は単なる補修作業であり、体にとっては異物でしかありません。
そこにどんな素材を使ってどんな方法で精密に体と調和させるかが非常に重要な要素となり、その効果を持続させるため定期的にメンテナンスまで行ってはじめて本当の意味で歯は救われるのです。私達が行う歯科医療の実際は、多くが“前の治療のやり直し”です。それは、こういった診断やアプローチの上に成り立たないその場凌ぎの医療が提供されてきた結果です。私達は、そんな現実を本気で変えたいと思っています。

『今ある自分の歯を
大切にする』
『未来の自分の歯を
大切にする』

そんな“今”だけにとどまらず“未来”まで自分の歯を大切にする診療を提供する。
これが私たちの提供したい“予防”という診療スタイルです。

ラストトリートメント・
ラストクリニックで
あるように・・・

院内風景

先ほどお話しましたように私達の治療においては、“治療の手を可能な限り加えないで済むような適切な治療を行うこと”が当たり前のように必要になってきます。

歯は手を加えるほどに、リスクを抱え再び治療が必要な状態になりやすいものです。そうやって治療を繰り返すと、歯は一歩ずつ抜歯への階段を降り始め、先々まで自分の歯を残すことが難しくなります。

ある報告では、平均5回の治療を重ねることで歯は抜歯に至るとのことです。保険で使用する金属の被せ物や詰め物の平均寿命は8年前後と言われていますから20歳の方が初めて治療を保険治療で受け続けたとして、歯の受ける治療の平均回数、治療の平均寿命をかけ合わせると40年。つまり、単純計算ですが60歳には抜歯に至る計算となります。日本人の健康寿命は男性71歳、女性は74歳ですから、健康寿命を全うするまで、満足な数の歯は残らないということになります。
これが、8020運動「80歳で20本の歯を残そうという運動」が達成しにくい本当の理由です。つまり、ただ単純に治療を受けていただけでは、歯を守るはずの治療が歯をダメにしてしまう可能性だってあるということです。この事実を私達は、治療を行う側の人間として、伝える義務があると考えます。来院されるお一人お一人が“ここに来てよかった、あなたに出会えてよかった”といっていただきたいです。そのためには予防・原因療法・精密診療・素材選択が非常に大切です。
当院がラストクリニック(最後の医院)となり永いお付き合いをさせていただきたいとかんがえているからこそ来院される方の幸せに本当に必要な提案をさせていただきます。

医院を超えた地域での
取り組みと将来のビジョン

セミナー風景

予防をもっともっと身近に感じていただく取り組みの一つとして「ファミリールーム」があります。
この「ファミリールーム」では、親御さんの治療をお子様が興味深く見守っている様子がよく見られます。このようなお子様は、自分が治療や予防をうける番になっても理解がよく、早く慣れてくれる傾向にあります。それは、親御さんが治療を受けたり、予防のアドバイスを受けていることを、学びとして一緒に取り入れておられます。

予防を成功させるいくつかのキーワードの中に私は“学習”“共有”があると思っています。「予防」では、ご自身が行う毎日のケアと当院が行うプロフェッショナルケアの連携が非常に重要な意味を持ちます。それを理解し習慣化して、かつ楽にできないと、苦痛で続かなくなってしまうものです。
そういう意味で、今自分たちが歯科医院に来て行っていること、自宅に帰って行わなければならないことをしっかりとお伝えして高いレベルで理解していただくことは予防を効果的に提供したい私達にとっても、ご自身の歯を大切に守りたい来院者のみなさまにとっても非常に価値のあることだと考えます。
こういった“学習”は成人のみならず、小さな子供に対してもアプローチを行います。
小さな学習の積み重ねが大きな成果を産むことを私達もファミリールームで過ごされる子どもたちから教わっているのです。
また“予防をより効果的に持続的に行うため”にはファミリールームでのご家族のように、家族単位、学校単位、地域単位といった周りを巻き込んで一緒に取り組むことだと考えています。つまり“共有”ですね。
そのため、私たちは一般の方を招いた院内での予防セミナーを開催したり、学校健診や妊婦検診に積極的に参加させていただくことで“共有”の輪を広げ“予防”がもたらす幸せを広げていきたいと考えています。

セミナー風景

特に、私達は同じ志を持つ歯科医院らで“子どもとママの健康を育む会”を結成しました。

”予防で広がる幸せ”が一人でも多くの人に届くように、福田病院や慈恵病院などで妊婦さんを対象とした講演会を行ったり、会員医院でのメンテナンスの統一化を目標とした勉強会をおこなったりしています。この活動が、きっと熊本を後々は日本全体を大きく“予防中心の医療”へ動かしていくものと私達は信じています。

このように、様々なアプローチから来院されるみなさまにとって最良の「予防歯科」を提供し、多くの方がご自身の歯を大切にすることができるようお手伝いするのが、私たちの使命だと考えています。
将来、この地域の歯科医院が手を取り合い、この地域で歯科医療を受ければ、どこに行っても自分のお口は豊かで健康な状態を安心して維持することができる。そんな、地域貢献をしていきたいと考えています。